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Performance and Innovations

高度な波長選択、光薄膜技術

光薄膜技術とは

屈折率の異なる光薄膜からなる積層膜
図1.屈折率の異なる光薄膜からなる積層膜

屈折率の異なる薄膜材料を光の波長レベルの厚さで積層すると光の干渉を利用して、光を強め合ったり打ち消し合ったりできます(図1)。前者は高反射ミラーとして、後者は減反射コーティングとして知られています。眼鏡の反射防止コートは後者の一例です。

光薄膜には(1)金属膜、(2)誘電体膜が一般的に知られています。特に誘電体膜は光の波長に応じて、さまざまな波長選択性を持たせることができるため、光通信分野を含めて、幅広く利用されています。

santecの光薄膜技術

当社では、光応用製品を支えるコア技術として光薄膜素子の開発製造を行っております。
主な課題は、理想的な光学薄膜の形成、設計通りの膜厚形成、職人芸に依らない安定生産の確立です。
以下にこれらの課題に応える当社の光薄膜開発の事例を紹介します。

Grand-Exコーティングテクノロジーの紹介

当社では、イオンビームスパッタ(IBS)を用いたGrand-Exコーティングテクノロジーと呼ばれる最先端光学薄膜技術を独自開発しています。
同テクノロジーには以下に紹介する3つの特長があります。

Grand-Exコーティングテクノロジー

独自開発した上記①のIBS成膜装置(図2)は、理想的な光学薄膜を、設計通りの膜厚で、安定的に生産することが出来ます。本装置で成膜された誘電体多層膜は断面を電子顕微鏡で観察しても非常に均一なアモルファス膜質であることが確認できます(図3)。

独自開発したイオンビームスパッタ(IBS)成膜装置
図2.独自開発したイオンビームスパッタ(IBS)成膜装置
Nb2O5/SiO2からなる誘電体多層膜の形成例
図3.Nb2O5/SiO2からなる誘電体多層膜の形成例

光学薄膜の紹介

以下では、 Grand-Exコーティングテクノロジー用いた代表的なコーティング例を紹介します。
1.極減反射膜(スーパーARコート)
2.究極の波長選択フィルタ(スーパーPONフィルタ)


1.極減反射膜(スーパーARコート)

通常のARコートが反射率0.2%以下であるのに対して、スーパーARコートは、0.01%以下を実現します。

スーパーARコートの例
(a)

図4(a)は2層からなるスーパーARコートの例です。極めて狭い波長幅だけを限定に反射率を低減することができます。一般的にはVコートと呼ばれています。同反射率評価では、当社開発の超広帯域光源(型式:UWS-1000)が用いられています。

スーパーARコートの例
(b)

図4(b)は4層からなるスーパーARコートの例です。数十nmの波長範囲で反射率を低減することができます。一般的にはWコートと呼ばれています。設計値(緑線)に対して測定値(青線)は良い一致を示しています。

8層からなるスーパーARコートの例
(c)

図4.スーパーARコートの例

図4(c)は8層からなるスーパーARコートの例です。200 nmの広い波長範囲で反射率を低減することができます。設計値(緑線)に対して測定値(青線)は良い一致を示しています。


2.究極の波長選択フィルタ(スーパーPONフィルタ)

次世代のWDM-PON伝送方式では各ユーザ端末(ONU装置)において、30 dB以上の信号分離特性が求められています。従来は2枚以上のフィルタが多重通過して特性を出していましたが、当社のスーパーPONフィルタは1枚のフィルタでそれが可能です。光信号の分離性能として、反射・透過分離性能35 dB以上を実現しています。

反射分離特性
(a)

図5(a)は反射分離特性を示します。設計値(緑線)に対して測定値(青線)は良い一致を示しています。118層からなる波長分離フィルタですが、波長1525 nm ~ 1640 nmにおいて反射率は、-40 dB(0.01 %)近い特性を実現しています。

透過分離特性
(b)

図5.スーパーPONフィルタの例

図5(b)は透過分離特性を示します。設計値(緑線)に対して測定値(青線)は良い一致を示しています。

ここで紹介した光学薄膜例は、当社でしか実現していません。世界最高性能の光学薄膜技術の一つとして光技術を用いた応用製品を通して、社会へ貢献して参ります。