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空間光変調器とは?



LCOS-SLM

空間光変調器(SLM: Spatial Light Modulator)は、光の振幅、位相、または偏光の空間的な分布を、電気的に制御する光学デバイスです。
ホログラフィー、レーザービームの形成、光通信など、最先端のアプリケーションで広く使用され、現代の光学システムにおいて重要な役割を果たしています。



空間光変調器の動作原理



液晶型空間光変調器(LC-SLM)

液晶分子の配向を電場でコントロールし、光の振幅、位相、偏光を制御する方式。 光の波面(位相)を制御する位相変調型と、光の強度を制御する振幅変調型があります。

デジタルマイクロミラー型空間光変調器(DMD-SLM)

微小なミラーアレイを用いて光を反射させ、光の強度を高速で変調する方式。

電気光学型空間光変調器(EO-SLM)

電気光学効果を利用して透過媒質の屈折率をコントロールし光の位相や偏光を制御する方式。

導波路型空間光変調器(WG-SLM)

光導波路を利用し、電気光学効果や熱光学効果で光を変調する方式。

音響光学型空間光変調器(AOM-SLM)

音波による屈折率変化(音響光学効果)を利用して光を変調する方式。

磁気光学型空間光変調器(MO-SLM)

磁気光学効果(ファラデー効果)を利用して偏光を変化させる方式。




LCOS型空間光変調器(LCOS-SLM)


液晶型空間光変調器(LC-SLM)の一種で、液晶層をシリコンバックプレーンと透明電極を蒸着したガラス基板の間に液晶を封入した反射型の液晶表示パネル(LCOS: Liquid Crystal On Silicon)を使用しております。LCOSは、シリコンバックプレーン上に形成された数百万以上の電極(画素)に電圧を印加すると液晶分子が電場の影響を受け回転することにより、液晶層の屈折率が変化することで、反射光の位相を変化させます。

それぞれの電極(画素)に異なる電圧を印加することで、画素単位での光位相制御が可能になるため、LCOSに入射された光の位相を、二次元的に自由に操ることができます。この技術は、ホログラフィーや波面補償光学などの精密な光制御が求められるアプリケーションで優れた性能を発揮します。当社のLCOS-SLMは、200万以上の電極がシリコンバックプレーン上に形成されており、他の空間光変調方式と比較して高解像度を実現しております。また、10bit(1024階調)という高い位相分解能と0.003π以下という高い位相安定度も特徴となります。



LCOS構造
LCOSパネルの一例






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